子犬が来たら

 子犬を迎える準備が整ったら、いよいよ子犬の受け取りです。
子犬が家にきたとたん、あなたの生活は、朝から夜まで一日中、このかわいい生き物に振り回されてしまうでしょう。こんな楽しいことはありません!
子犬を迎えて、てんてこまいの一週間を特に取り出して書いてみましょう。

<子犬受け取りの時期>

 子犬は、生まれてから50日以上になってから受け取るようにしましょう。空輸、あるいは長距離の陸送の場合は、生後60日をすぎてから、子犬のコンディションのよい時に送ってもらいましょう。

 決して、無理をして忙しい時期に、子犬を受け取るようなことをしないように。所用はすませ、子犬のためにたっぷり時間をとれるように都合をつけておきましょう。子犬のために細心の心配りと観察が必要です。

<輸送方法>

車で迎えに行くとき

 犬は車が苦手です。酔って吐くこともあります。車の中では、あまり揺れないように安定よく場所をつくってあげましょう。手さげ式のケージか、深さが30cm以上あるしっかりとしたダンボールの箱を用意していきます。ダンボール箱の場合は、車に揺られて箱の中で子犬がゴロゴロころげないように、大きすぎないものにしましょう。箱の中に新聞紙を2cm巾くらいのテープ状に切ったものを敷いておきます。子犬が車に酔って吐いても、排便しても、これなら大丈夫です。小便は吸い取り、大便はテープ状になった新聞紙にうまくクルッと巻きとられ、子犬の体をあまり汚しません。車の中では安定よくケージ(箱)を置き、ゆっくりと安全運転を心がけてください。助手としてもう一人車に同乗できる場合は、子犬を抱いてあげるのがよいでしょう。

電車を利用する場合

 ケージが必要です。バッグで代用するときは、口の閉まるもので、中で子犬が苦しくないものを使いましょう。 子犬のケージを手荷物のチケットで客席に持ち込むことができますが、ふたやチャックのないバッグでは断られることがあります。

飛行機で空輸されてきた場合

 国内便はどこの航空会社も客席への持ち込みは認めていません。子犬は、貨物室に乗ることになりますが、これは客室の隣にあって、エアーコンディションも客室と同じようになっていますから心配はいりません。 航空会社の荷物受け取りカウンターで、書類に判を押して子犬を受け取ります。空港のケージから子犬を出すときに事故のないように気をつけてください。

 長距離を長時間かけて到着した子犬は、大変疲れています。輸送の途中で吐いたりするとよけいな体力を使ってしまいますし、吐瀉物を咽につめても危険ですから、たぶん、朝から何も飲まず食わずのはずです。が、食べ物を用意していくのはやめた方がいいでしょう。家に着いて、ゆっくりさせてからにしましょう。お水くらいなら新鮮なものを少し口に含ませる程度与えてもかまわないのですが、次に乗る車や電車で吐いたのではかわいそうです。

<子犬を受け取る時に繁殖者にきいておくこと>

食事の内容と与え方
 ドッグフードの場合が多いと思いますが、必ずその銘柄をきいて、用意しておきます。 1日の量と、与える回数と、どの程度の固さで食べさせていたかを詳しくきいておきましょう。

駆虫
 駆虫を行なってあるかどうか、その結果もきいておきます。 また、まだ駆虫する必要があるのかどうかもきいておきましょう。

予防注射
 1回目が済んでいるかどうか。もし、1回目が済んでいたなら、何種混合ワクチンの注射を済ませたのか、まちがいのないようにきいておきましょう。いろいろ混合ワクチンにも種類がありますから、できれば証明書をつけてもらいましょう。

血統書
 子犬といっしょに受け取れない場合は、いつ頃もらえるのか、確認しておきましょう。 血統書といっしょに”名義変更届”ももらいましょう。新しく子犬の所有者となった者は、これに記入して、血統書を添えて名義変更手続きをします。血統書に記載されている犬種団体に料金を添えて送付すればいいのですが、たいていのペットショップで頼めば、代行してくれます。

<子犬が家に来たら>

 さあ、キャバリアの子犬が我が家にやってきました!なんて、うれしいことでしょう!でも、少しまってください。何事もはじめが大切といいます。子犬の身になって考えてあげましょう。

 突然、全く知らない環境に移り、知る人もなく、肩を寄せあった兄弟姉妹とも離ればなれ、最愛の母犬も、もういません。子犬はとっても不安に感じていることでしょう。たとえ、元気そうにみえても、この時かわいいからとか、早く愛情を伝えてあげたいからと、大騒ぎの大歓迎はやめましょう。はじめの1週間は準備期間と心得え、よく休ませてあげましょう。特に小さなお子供さんのいる家庭では、充分気をつけてください。抱いたり、遊んだりは、もう少し後にしましょう。

 家に着いたら、まず、子犬の居住区に案内してあげます。用意してあったサークルに入れてあげ、その中にあるトイレを教えてあげましょう。それから、お水をあげます。落ち着いたら、やさしく声をかけてあげます.....そう、”名前”を呼んであげるのはどうでしょう?”名前”に続けて、何か語りかけてあげましょう.....もう眠ってしまいましたか? (落ち着かず、眠れないようでしたら、ほんのチョッピリ食事をあげましょう。)

 この時期は、よく眠ります。成犬でも、犬の睡眠時間は人間と逆で、1日の2/3は寝ています。子犬はよく眠り、お腹がすいたり、トイレに行きたくなった時に起き出します。その後いろいろ用を足したら、しばらく遊び、また眠ります。眠っている間は、起こさないようにしましょう。眠っている子犬を見ていると、ピクピクと手足や体を動かしていることがあります。眼や耳まで動かします。まるで、痙攣しているかのように激しく動かしているときもあります。もちろん、成犬になってからも見られ、犬も夢をみる、といわれています。この時の脳波は、人間の睡眠中の夢をみている時の脳波と同じだそうです。でも幼い子犬の睡眠中の痙攣は、成犬のそれとはちょっと違います。眠っている間に、脳から絶えず信号が送られ、すべての神経回路に刺激を与え、急速に成長をしているからなのです。こんな大切な子犬の眠りを妨げると、ストレスの原因になります。生まれて間のない、しかも環境が変ったばかりの子犬にとって、新しい環境での連日の歓迎セレモニーは、訳がわからないまま、死へと追い立てられているようなものなのです。

 子犬は、眠りから覚めると、寝床から起き出してきて、さっそくトイレの場所を探しはじめます。さっき教えてあげた、用意してあった新聞紙の方へ行きましたか?うろうろと探していれば、そっとトイレの場所をもう一度教えてあげましょう。上手にできたら、うんと褒めてあげましょう。

 ここで、食事です。おまたせしました!ほんの少しの量で様子をみましょう。食べなくても、心配はいりません。あっという間に食べてしまい、まだ欲しがるようでしたら、またほんのちょっぴりあげましょう。まだまだ量が足らないくらいでいいんです。

 大便は、起きてすぐにするときと、食事の後や遊んだ後にするときがあります。グルグル臭いをかぎながら回るような仕草をみせますから、すぐにわかります。こんな様子をしたら、”ここでしようね”と声をかけ、新聞紙の上へそっとのせてあげましょう。失敗しても決して叱ってはいけません。汚した場所は、すぐにきれいに拭き取り、上手にできた新聞紙も1回ごとに上からとっていつもきれいにしておきます。キャバリアは、とてもきれい好きです。臭いを残しておいた方が早くトイレを覚えるのでは、とそのままにしておくと、かえってちがう場所にされてしまうことが多いようです。子犬のときはトイレの回数も多く、小便は5〜8回、大便は3〜5回くらいします。その子のリズムをつかみましょう。

 トイレも食事も済ませたら、子犬は少し遊びます。子犬が起きているときに、やさしくなでてあげたり、そっと抱き上げて、話しかけてあげることは、とてもよいことです。かまいすぎとは反対に、全くスキンシップのない子犬もやはりストレスとなります。ですから、世話のためにいろいろ手を出すことは、子犬にとっては大変よいことなのです。しばらく遊んだら、また眠くなってきます。邪魔をしないように、ゆっくり寝かせてあげましょう...

 室温は、20℃くらいが適しています。疲れた子犬にとって保温は大切です。25℃を越えるようなら、風通しをよくしてあげましょう。真夏でクーラーを入れる場合はごく弱くしてあげてください。15℃より下がるようなら、ペットヒーターを入れてあげるか、一番よいのは部分暖房ではなく、部屋全体を温めてあげることです。温風ヒーターを使用するときは、直接温風があたらないように注意しましょう。ペットヒーターを使う場合は、タオルを1枚ヒーターの上にかけて、その上に子犬を寝かしてあげましょう。ヒーターが強すぎると脱水症状をおこすので、弱く入れましょう。 暖かい季節でも明け方など極端にに冷え込むようなときには、注意が必要です。

 音は静かな方がよいのですが、神経質に気を使う必要はありません。家族の話し声や生活音は、子犬にとって心地よい暖かなBGM と響くでしょう。

 夜泣きは多分しないと思います。もし、泣くようであれば、そっと近くで見守り、やさしく声をかけるくらいにします。むやみに食べ物を与えたり、遊んであげたりはよくありません。

 新鮮なお水はいつでも飲めるようにしておきましょう。ドッグフードはまだお湯でふやかして食べさせるため、そちらからの水分補給があるので、お水を多量に飲むようなことはありません。あまりお水を飲んでなくても、忘れずに時々お水を新鮮なものに取り替えてあげてください。

 ドッグフードは、必ず前のところで食べていたものと同じものを使います。また、1日の食事回数も与え方も同じようにします。 お湯でふやかして、1日3回、が基本です。量は初めは少なめにして、便の状態を必ず確認してください。便の様子をみながら、体調がよさそうなら、徐々に適量にしていきます。

 便は健康のバロメーターです。特に子犬の場合は重要なポイントです。1回ごとによく見て判断してください。疲れたり、環境の変化などで、下痢をおこしたり、低血糖でグッタリしてしまうことがあります。こんな場合は急いで獣医師に連絡をとってください。

 こうして1週間が無事に過ぎる頃、病院へ連れていき、伝染病の予防ワクチンの注射をうってもらいます。2カ月令前後が1回目のワクチンの時期です。子犬は母犬の初乳を飲むことにより、母犬よりいろんな病気に対する免疫をもらっています。この免疫がきれてくるのが、個体差もありますが、早い子で大体生後43日頃からです。免疫のない、あるいは免疫の切れた子犬は、ウィルス性の伝染病にかかるとひとたまりもありません。まわりで伝染病が流行っているようでしたら、子犬を迎え入れた次の日にでも、獣医師に電話をいれて聞いておきましょう。必要があれば、とりあえずの手段で、その時ジステンパーが大流行していたとすれば、ジステンパーのワクチンを先にうっておく、というようなこともできますから、相談してみることです。1回目のワクチン注射のときに、検便も必ずにしてもらいましょう。もし寄生虫がいたら、適切な処置をしてあげてください。フィラリアの予防の相談をしておくと安心です。次のワクチンは1ヶ月後です。

 新しい環境に慣れ、ワクチンも済みましたか?
 子犬は、新しい家族と共にすばらしい犬生を迎えるスタートラインに立ちました。家族のみなさんにとっても、キャバリアはきっとすばらしい人生のパートナーになっていくことでしょう。
 キャバリアの子犬を初めて胸に抱いたこの日の感激を忘れることなく、この小さな命が天寿を全うするまで、いつもいっしょに、すばらしい日々を綴っていかれますように.........

   e-mail cavalier@cavaliernet.com

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