ドッグフードの保存料について 




「ペットフードの保存料は敵か味方か」

〜保存料に関する議論の事実とフィクションを見分けましょう〜





 癌、腎臓病、膵臓病、幼犬の死亡、関節炎、アレルギー、脱毛、失明、免疫不全の共通項は何でしょう?これらすべての原因として責められてきたのが、ドッグフードに含まれる保存料です。


 栄養素のうち最も損傷しやすいのは脂肪です。脂肪の劣化(酸化)はフードの栄養価を損ない、犬のための嗜好性も減少させ、さらに食べると危険な状態にさえすることもあります。ドッグフードのほとんどには高レベルの脂肪と脂溶性成分(ビタミンA、ビタミンEを含む)が含まれているため、品質、栄養価および嗜好性を維持するには酸化を防ぐことが重要です。缶詰フードは気密性の高い保管状態によって酸化から守られていますが、ドライフードは現在の包装技術であっても品質と安全性の維持のためには保存料が必要になります。ドライフードは保存料を必要とするのです。ただ、どの保存料がベストなのでしょうか?

 保存料は人工のものと自然のものがあります。両タイプともフード中の脂肪およびその他の成分を酸化から守るはたらきをします。ペットフード産業が使用している一番一般的な人工保存料は、エトキシキン、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)です。最も一般的な自然保存料はトコフェロール(ビタミンE)とアスコルビン酸(ビタミンC)です。


 犬の飼い主たちが最も心配している保存料はエトキシキンです。現在、ドッグフードには150ppmまでのエトキシキンが許容されています。エトキシキンは30年以上にわたって動物飼料に使用されてきましたが、最近の9年間に多くの消費者から、エトキシキン含有の食餌を与えられていた犬に発生した健康問題に関する報告がFDAに寄せられています。ドッグフード中のエトキシキン使用による悪影響は、いくつかの研究においても、承認されるレベルでは報告されていませんが、消費者の心配をきっかけに、この保存料の安全性を確認するさらなる調査が行われています。エトキシキンの主要生産者であるモンサント社による最近の研究で、長期間にわたる中から高レベルのフード中エトキシキンの使用による問題は、肝臓酵素の血中濃度の緩やかな増加、および、授乳中の雌犬(ほかの犬よりもたくさん食べる)の肝臓における正常赤血球代謝産物の増加のみであることが明らかになりました。生殖機能異常やその他の健康問題は一切発生していません。

前述の肝臓の調査結果がかなり緩やかであり、臨床的重要性はまったくないと考えられるとしても、さらに調査する必要があります。1997年7月に、「FDA獣医医療センター」はエトキシキンの製造業者とペットフード産業に対して、ドッグフードのエトキシキンの最大含有量を75ppmまで減らすように要求する通達を出しました。「ペットフード協会」は最近、より低レベルの量(30または60ppm)のエトキシキンでもドッグフードの十分な酸化防止剤として効果があるかどうかを調べる研究を行っています。FDAはこの研究の結果に基づいて適切な措置を取るでしょう。


 ビタミンCとビタミンEも保存料として使用されることが可能ですが、どちらも人工保存料ほどの効果はありません。例えば、ビタミンEを用いて保存されたドライフードはエトキシキンまたはBHAを用いて保存されたフードよりも速く傷んでしまうことが、ある研究で分かりました。

 人工保存料または健康によくないと認識されているその他の成分に代わる選択肢として、多くのフード会社は最近「完全自然食品」のドッグフードを販売しています。問題なのは、「完全自然食品」、「保存料無添加」、またはこれらに類した名前のフードには、法律で決まった定義は何もないことです。メーカーは彼らがそう意味すると信ずる語句で製品を定義します。概して、保存料または人工着色料は添加されていないことと、ビタミンCまたはビタミンEなどの自然保存料が使用されていることを暗に意味していますが、これもメーカーごとに異なります。さらに、これらの製品は添加された人工保存料は含んでいないかもしれませんが、供給業者から仕入れた食肉や脂溶性ビタミンにすでに存在している低レベルの人工保存料を含んでいるかもしれません。ドライフード中の低レベルの人工保存料は、犬全体には非常に小さなリスクしか引き起こしません。それにもかかわらず、飼い主の中には、現在実施されている研究によって確定的な情報が得られるまでは、人工保存料を避けて、自然保存のドライフードを犬に与えることを選択する人もいるでしょう。

 また、人工保存料があわない犬も少数ながらいます。飼い主はこのような犬にはビタミンCかビタミンEのどちらかで保存される多種類の缶詰やドライフードからフードを選ぶことができます。もし、あなたの犬に自然保存のフードを与えることを選択するなら、製造日から4ヶ月から6ヶ月以内に使い切らなければならないことを忘れないで下さい。製造日はラベルに表示されますが、判読できないときやコードのみで表示されることもあります。このような場合は、メーカーに電話で確認して下さい(フードに関するどのような疑問も電話で確認しましょう)。保存料に関して明らかになる情報に遅れないでいなければなりませんが、ペットフードの生産者や犬業界の人々があなたに言うことには識別力を働かせる必要があります。賢い消費者は証拠を判断するのであり、うわさを聞くだけではありません。

Oct. 1997. by Lisa Freeman
(リサ・フリーマンはタフト大学獣医学部の獣医臨床栄養学者である)
この記事はAKCガゼットより出典、GRCJ提供、転載の許可をいただいています





   
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