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優雅に年をとる By Lisa Freeman DVM
〜老犬の食事を考える〜
年をとることは病気ではありません。しかし有名な哲学者のラルフ・ワルド・エマーソンはこう言いました。「最も確実な害毒、それは時間である。」と。犬の飼い主は愛犬の加齢に伴う問題を最少にするために、相応しい食餌を与えなくてはいけません。老犬の体には様々な変化が生じ、それによって栄養要求も変化します。老犬は活動性が低下することが多く、そのためカロリーの必要量は減少します。また人間と同じように、年をとると脂肪が増えやすく、筋肉は落ちやすいという傾向にあります。個体差はありますが、免疫機能や腎機能も年と共に低下していきます。ほとんどの老犬において、栄養の消化吸収能力はそれほど衰えないようです。
これらの変化が老犬における栄養要求にどのような影響を及ぼすかは、ほとんど研究がなされていません。しかし人間の場合については多くの研究がなされています。最近の研究によれば、多くの研究者は、一日の栄養摂取推奨量(RDAs)は、51才から70才までと、70才以上に分けるべきだと主張しています。現在はRDAsは51才以上の人については全部同じになっています。そして犬の場合も「成犬」は単なる一つのグループと見なされていますが、年長の犬について、もっと細分化した栄養要求を設定することは有益だと考えられます。
すべての犬には個体差があり、何才になったら老犬であるとは一概には言えません。他犬種と比べて早く老化する傾向にある犬種もあります。遺伝、健康状態、生活態度がとても重要です。6才で、老犬のような行動をする犬もいれば、12才になっても子犬のような態度の犬もいることを私達は皆知っています。「老犬用」として作られたドッグフードが「あなたの年長犬」に相応しいとは限らないのです!
老犬の食餌を選ぶ際にまず考慮すべきことはその犬の健康状態です。老犬に良く見られる病気、例えば関節炎や糖尿病、癌、心臓病、腎臓病などがある場合は、それに応じた栄養調整によって、症状を和らげたり、病気の進行を遅らせたりすることが可能な場合もあります。最終的な決定をする前に、獣医師に症状と病気の度合いを判断してもらうべきです。
シニアフードの栄養調整
もし愛犬が老犬であっても健康ならば栄養調整は必要ないでしょうし、望ましいことでもないかもしれません。多くの老犬は市販の良質な成犬用フードを食べることによって適切な栄養を摂取しています。あるいはシニア用フードに切り替えることによって良い益を受ける犬もいます。シニア用あるいは老犬用フードについて法的な定義というものはありません。あるフードは他のフードよりもあなたの犬の必要をより良く満たすかもしれません。栄養組成は各メーカーによって幅があるのです。
多くのシニア用フードは以下のような栄養調整が一般的になされています。
1)蛋白質の制限
健康な老犬にとって理想的な蛋白質のレベルについては多くの議論がなされています。多くの人は蛋白質を制限することは有益だと考えていますが、低蛋白の食餌が健康な老犬にとって有益で、高蛋白の食餌が腎臓病の原因となるうるという科学的証拠はほとんどありません。蛋白質を制限したフードは、多くの老犬にとって低蛋白過ぎるかもしれません。健康な老犬にとって大事なのは「中庸」(多すぎず少なすぎず)ということです。つまり極端に低蛋白、あるいは極端に高蛋白なフードは避けるということです。もしあなたの犬が腎臓病であるなら、相応しい食餌について獣医師に相談してください。
2)リンの制限
リンのレベルが高いと、腎臓病を進行させる原因となりえます。ですから腎臓病の犬にはリンの制限が推奨されます。高リンの食餌が直接腎臓病の発症の原因となる事は知られていませんが、高リンの食餌は避けるべきでしょう。
3)ナトリウムの制限
一般的に、老犬にとってナトリウムの制限は必要ではありませんが、心臓病や高血圧の犬にとってはナトリウム制限は有益です。
4)食物繊維の増量
腸の運動性が低下している犬や便秘がちの犬にとって、食物繊維の摂取量を増やすことは有益です。しかし充分な体重を維持するのが難しい犬には高繊維食は相応しくありません。食物繊維は食餌のカロリー密度を減らします。
5)カロリー調整
多くの犬は加齢と共に太りやすくなる傾向があります。食餌の量を減らす、あるいはカロリーの低いフードに切り替えることによって、このような肥満傾向の犬の摂取カロリーを減らすならば、体重の増加を抑えるのに役立ちます。過剰な体重は他の病気の原因となったり、悪化させたりする場合があります。 年と共に体重が落ちる犬もいます。このような場合は体重減少を防ぐためにはカロリーの高いフードを選んでください。体重が減りがちな犬用と増えがちな犬用の2種類の老犬用フードを販売しているメーカーもいくつかあります。
いくつかの病気に対して、サプルメントは役立ちます。例えば、ビタミンEは人間の場合免疫機能を改善することがわかっています。しかし、犬にとって、安全で効果的なビタミンEの量ははっきりわかっていません。今後の研究によってその益とリスクがわかってくるでしょう。給餌試験がなされている良質のドッグフードを与えているなら、サプルメントを補給する必要はありません。サプルメントを使う前にかかりつけの獣医師に相談してください。サプルメントは過剰に与えると有害になることもあります。
また、サプルメントの製造販売に関しては法的規定はほとんどないということを知っておいてください。多くのメーカーは、間違った、あるいは誇大な宣伝をしています。犬を若返らせるとか、病気を治す効果があると宣伝している製品には注意してください。ペットフード会社は老犬病への関心を増しています。老犬の栄養要求について、より多くの、より良い研究が今後なされていくことによって、老犬の栄養基準が細分化されていくと思われます。ドッグフードメーカーはそれ一つですべての老犬の要求を満たすフードというものは決して作ることはできないでしょう。
飼い主は引き続き、獣医師と共に、愛犬のコンディションと健康状態をチェックしていく必要があるでしょう。そして相応しいフードを選ぶことには、老犬の適正な体重と栄養状態を維持することの助けとなるのです。
June. 1998. by Lisa Freeman
(リサ・フリーマンはタフト大学獣医学部の獣医臨床栄養学者である)
この記事はAKCガゼットより出典、GRCJ提供、転載の許可をいただいています
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