キャバリアの性格




攻撃性のないキャバリアのキャラクター

 キャバリアのスタンダードの性格のところには、

    楽しげで
    友好的で
    攻撃性がなく
    快活で
    上品で
    恐れることなく
    活発で明るく
    優しく
    献身的で
    情愛に富む

 上記のような言葉が記載されています。

 この中の1つ、”恐れることなく”という表現ですが、兵士のように戦闘に対して勇敢である、という意味では決してありません。この言葉から、いかなる闘争、あるいは危害のようなことも、連想するような意味合いは全くありません。キャバリアの性質には、猜疑心がなく、意地悪な気持ちも持ち合わせず、粗野で乱暴なところもありません。
 この”恐れることなく”という言葉は、キャバリアの原産国である英国(その他の諸外国のスタンダードでもこれに準じている)のスタンダードには、"absolutely fearless"という言葉で表現されています。そのまま日本語に訳すと、「全く恐れを知らない」となり、よくキャバリアという犬種の本質を知らないで訳すと、「全く恐れることも知らない勇敢さ」というような、ちょっとニュアンスの違った解釈がなされているときも、あるようです。キャバリアをこよなく愛する者として、大切にしたい部分なのですが、キャバリアにおいての"absolutely fearless"の意味は、無邪気で、清浄であるという意味です。相手に対して、信頼の念にいつも満ちていて、心からの深い信頼を寄せ、献身的で、まさか相手を疑うようなことを知らないために、”恐れることなく”という表現になるのです。

 キャバリアはこのような天性のハートを持っていますので、愛玩犬の中でも、最もフレンドリーで優しく、賢くしつけやすく、家庭犬としては最高で、人間の最も親しい伴侶となってくれるでしょう。しかしこういう「友好的」な性格ゆえに、番犬としての仕事をこの犬種に望むのなら、これほど不適切な犬種はありません。番犬に必要な、警戒心や猜疑心や非友好的な精神が、キャバリアには本来持ち合わせていないからです。もし誰かがきて吠えるのなら、それは「警戒の信号」ではなく、「喜びの歓声」でしょう。

 このような性格のキャバリアが、突然のアクシデントで、もし飼い主さんとの楽しい散歩中に、他の犬から攻撃されて噛まれたとしたら、どうなるでしょうか?そんなとき、キャバリアにやっとできることは、恐怖と驚愕で泣き叫ぶことか、あるいは逃げることです。大抵は逃げることすらできずに、その場に蹲って泣き叫び震えて、されるがままになってしまうことでしょう。
 付け加えますと、このような恐ろしい危害を加えようとする「攻撃」でなくても、たとえば赤ちゃんや幼い子供の無邪気で悪気のない、でも何をされるか予測できないような「行為」などに対しても、当然、文句を言わずにじっと我慢して耐えるでしょう。どんな場合でも、攻撃を受けた時、キャバリアは反撃に出て相手とやりあうようなことは、決してできません。心あるブリーダーは、キャバリアの子犬を、まだ物事の善し悪しが判断できない幼児のいる家庭へはあまり行かせたがらない、という話をよく耳にしますが、これはキャバリアのこんな性格からです。

 元々このように、性格において攻撃性がなく、警戒心もないという犬種の特質がありますので、飼い主さんとしては何かのときにキャバリアの方から攻撃するような心配はないでしょう。でも反対に、相手から突然攻撃されたときのことを、考えてあげなくてはならないでしょう。襲われた時のショックで、心が深く大きく傷つき、性格まで変わってしまうことすらあります。

 キャバリアでのブリーディングを考えるとき、このような犬種独特のキャラクターは、非常に重要であり、大切に守らなくてはいけないポイントです。もし、このような性格でないキャバリアなら、ブリーディングにおいては、厳しいペナルティとなるでしょう。特に後天的な環境での問題や、飼い主さんのしつけ上の間違い、あるいは引き金となる原因があった場合は話は別ですが、本来の性格として物心ついたときからやたら人に向かって歯を剥いて警戒の唸りをあげるキャバリア、自ら威嚇し攻撃をしかけて噛みつこうとするようなキャバリア、想像したくないですね。もしそのようなキャバリアがいたとしたなら、ブリーディングのときに、そのような性格のキャバリアは繁殖から外すようにしなくてはいけないと思います。

 キャバリアは、このように、誰からも愛されるような、そして愛すべきキャラクターだからこそ、世界中の多くの人々のハートを捕らえて離さないのだと思います。

July. 18. 1998. 坂井由紀




    cavalier@cavaliernet.com


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