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英国のキャバリア 〜英国ショーへのジャッジ紀行〜 キャバリアの原産国を訪れることは、いつも有意義です。アメリカにおいて発展している犬種であるキャバリアの、どのような長所が原産国では維持されているのかを知るだけでなく、どのような避けたい問題が持ち上がってきているかをも、知ることができます。
私は最近、サウス・ウェールズ・ケンネルクラブのチャンピオンシップ・ショーでのキャバリアでのジャッジに呼ばれ、当地を訪れました。出陳総数274匹が、ウェールズ地方やイングランド地方、スコットランド地方、アイルランドから集まってきていました。
うれしいことに、前回訪れたときよりサイズが少し小さくなり、表現は目覚ましく改良されていました。正しいプロポーション、中庸な骨量の、柔らかく表情豊かなキャバリアにたくさん出会えました。ほとんどのキャバリアにおいて、目は、丸く、大きく、暗色で、輝きがありました。スカルは平らなものから僅かにカーブを描くものまでのいくらかの幅はありましたが、ほとんどの犬のスカルは正しい形で、そして耳付きと、マズルとスカルの長さの比率も相応しいものでした。前肢はほぼ真っ直ぐで、しっかりしていて、優れた角度と位置の肩によって、正しい長さとクレスト(尾根、背という意味)を持つ首へと連結されています。トップラインは、立っている時も動いているときも、ほとんど水平で強固であり、尾付きの悪い犬はほとんどいませんでした。私がCCを授与するために選出したタイピーで陽気なキャバリア達は、頭部やボディに行き過ぎた(誇張された)ところはまったくなく、私の目を楽しませてくれました。
成り上がりのアメリカ人が、ほんのちょっぴり悪い傾向を忠告させていただくことをお許し願えるなら、次のようなことを挙げたいと思います:
僅かなキャバリアに短すぎるマズルと高いスカルが見受けられました。正しい毛質であるけれども、毛量が多すぎて、せっかくの愛らしいスパニエルのラインが毛で隠されてしまっている犬も何頭か見られました。私自身は”歯に異常にこだわる”ほうではありませんが、近年キャバリアの歯、特に下の門歯が小さく、少なく、そして弱くなってきており、それが行き過ぎて中には、下の門歯は単に小塊が並んでいるだけのようになってしまっている犬も見られることを見過ごすわけにはいきません。また、後肢は全体的に、短くて左右平行なホックと良く筋肉の付いた大腿を持っていて、良いものでしたが、中には何匹か、推進力に欠け、”魚の尾ひれ”のような動きで左右に 振れているようなキャバリアも見受けられました。
これらの欠点を挙げたのは、決して英国のキャバリアを批判するためではなく、それだけ出陳されていたキャバリア達が私の目をとらえ、思い出に深く残ったということをお伝えしたいだけなのです。
犬のことは別にしても、このサウスウェールズ・ケンネルクラブのショーは、美しい会場、見事な組織運営、そしてショーの委員会やクラブのメンバー、出陳者による友好的な雰囲気と歓迎ゆえに、特筆すべきショーの一つであると言えます。私の審査結果は、謝意とスポーツマンシップを持って受け入れていただけました。そし てウエールズの人々の犬と人に対する愛情はいたるところに表れていました。ベストインショージャッジのピーター・グリーン氏以外では私は唯一のアメリカ人ジャッジでしたので、まるで王様のような気分を味あわせていただきました。
最終的に私がウイナーに選んだキャバリアは、最近アイルランド・チャンピオンになったばかりの、私の求める全てのものを持ち合わせた、ブレナムのキャバリアでした。彼は適切なサイズとプロポーション、角度と、素晴らしい頭部と目、そして片時も落ち込むことなんてないような、明るく、恐れを知らないような性格を持っ た犬でした。彼は伸びのある力強い歩様で、頭を上げ、首はわずかにアーチし、正しい尾付きで、正しく保持された、すなわち彼のしっかりとした真っ直ぐなトップラインの僅かに上で、尾を振りながらリングに入ってきました。筋肉質だけれども柔らかい表現も残しているこの顕著に目立つブレナムの牡犬は、まさに絵に描いたような「キャバリア」そのもののような犬でした。彼はこれまで他の2頭のブレナムのキャバリアになかなか勝てなかったのですが、それは単に彼がショーの間常に失わなかった、この大胆で快活な態度が災いして勝つことができなかったのでした。
ショーが終わって、私は有名なクレイゴール(Craigowl)犬舎のノーマ&ゴードン・イングリス夫妻と一緒に、束の間の時間を持てました。何年か前にスコットランド地方からイングランド地方へと移住した彼らは、多くのキャバリアのブリーダーにとって夢のようなことをずっと成し遂げてきました。彼らは犬の数を、 庭で管理できるような数に減らしたのですが、幼いパピー達から、彼らの愛する15才になるチャンピオン、ホップスコッチまで、その犬質は高く、かつ均一です。(ホップスコッチは、まだ心臓が丈夫で、少年のような活気で庭を跳ね回っています)彼ら は、骨量や体の充実性を失うことなく、サイズをスタンダードの範囲内で維持し続けています。彼らは間違いなく、遺伝学や血統、ブリーディングに関する膨大な知識を持っていますが、イングリス夫妻は、「私たちの成功の多くは、幸運と常識のおかげです」とおっしゃるほど誠実な方々でした。
長年に渡って、イングリス夫妻は、時代の流行や個人の好みといった誘惑に惑わされることなく、スタンダードに忠実なブリーディングを確固として続けてきました。それゆえに彼らの犬達は行き過ぎたところがなく、かつ魅力的です。彼らは目先のショーで勝つためのブリーディングはしませんし、だからこそ彼らは、ただ単に 犬種のスペシャリストでなく、行き過ぎた容姿に目を奪われるようなジャッジに気に入ってもらうために詰まった鼻や深いストップ、突き出た前頭部、多すぎるコートを求めてブリーディングすることなく、美しい頭部と目といったすべての重要な要素を持つ犬をブリーディングし続けてこれたのです。
もちろん、同じようなことを大事にし、スタンダードを忠実に守りながらキャバリアをブリーディングしている英国のブリーダーはたくさんおられるでしょう。私達アメリカ人は時々それを当たり前のことのように思ってしまいますが、私達アメリカ人が私達のスタンダードと犬質の深さを向上させることができたのは彼らのおかげなのです。
キャバリアの母国でジャッジをするために招待されたことをアメリカ人として、とても名誉に思っています。そして、いくつかのショーやケンネルで歓迎を受けるという特権にもあずかりました。私達、献身的なキャバリア愛好家は、どんな犬をブリーディングし、そしてどんな犬をブリーディングしないかということを、決して見失ってはいけません。
良いことも悪いことも、そして何より、彼らの知識を分け与えてくださる、イングランド、ウェールズ、スコットランドアイルランドの、献身的なブリーダー達に喝采を送ります。そのおかげで、私達はアメリカのキャバリアの将来をこれからも期待し続けることができるのですから!
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cavalier@cavaliernet.com