避妊・去勢に関して (2)

シリーズvol.1, 健康に関すること <避妊&去勢に関してーその2>
1997年11月1日
●避妊・去勢手術をした理由
偶然にも、今年の夏、我が家の愛犬が避妊手術をしました。手術するかどうかで、私もそうとう揺れ動いた口です。
私は予防医学のことは知識はありませんが、どうしても人間と置き換えて考えてしまう傾向がありました。病気が恐い、繁殖しないからって、人間はなる前に手術はしないのに、何故、犬にはそう薦めるのか・・・命の尊さは同じなのに、健康な身体にメスを入れないといけないのか・・などと悩み続け、やっと決心がついたのです。
ただ他の方と違うのは、家の子は始めてのシーズンの頃より、仮想妊娠になっていたということです。乳腺が腫れ、食欲がなかったりとで心配で、先生に相談しましたが、「ほっといて大丈夫だよ」と言われ、何も解らなかった私は、その通り自然に任せていました。けれど仮想妊娠の兆候が強くなり(おっぱいが出る。巣篭もりする。食欲が落ちる。など)、そしてその期間も長くなるのを見て、ペットとして生まれてきた以上、この子に、他の犬達と同じように楽しい時をできるだけ味合わせてあげることが飼い主としての責任なのでは、と思い始めたのです。それでも、全身麻酔やメスのことを考えると、また悩みましたが・・。
それと、キャバリアの遺伝性の心臓病のことを考えると、いつかなってしまった時に、できるでけ余計な病気を防ぐ為に必要かも・・と決心を固めた次第です。
手術を終えて、心配していたよりも元気な姿で退院し、日増しに元気を取り戻し、避妊手術をして良かったな〜と思っています。以前よりも無邪気で甘えん坊(今も抱っこ)で、食欲も安定しています。
私にはもう一匹、同じく牝のキャバリアがいます。この子は健康ですが、いつか避妊することになるのかな・・・やっぱり悩みますよね。おおいに悩んで、いいと思いますよ。色々なお話を聞き、そして自分で結論を出すしかないですものね・・・。
私も最初の発情前にと思っていましたが、うちの獣医さんは、身体的なことやホルモンバランスのことなどを含めて、6カ月以降からしか手術はしないという方でした。それでは6カ月後にと思っていた矢先に、最初の発情が早々にきてしまいました。
それから約3カ月ほどの間に、こんな元気な体にメスをいれるのはかわいそうだから、避妊させるのはやめようかとか、いろんな理由で大変悩みました。
でも最終的に手術を決断した理由は、最初の発情でいきなり子宮蓄膿症になりかけたこと、遺伝性の疾患が全く無いという確信ができないこと、避妊をすることである種の病気の予防になること、繁殖をさせるつもりは最初からなかったので、手術をするなら元気で回復力のある時に、ということからです。
手術をして1カ月以上経ちましたが、避妊手術をしたことに後悔は全くしていません。愛犬自身も精神、身体的に変わること無く、のびのび育ってくれています。
ある獣医さんのおっしゃる、「性も生きる喜びのひとつ」というお考えはよく理解できますが、逆をいえば、性だけが生きる喜びではないのですよね。飼い主のそばで幸せに健康な生活を送れることのほうが犬にとっては喜びなのでは?
シーズン中に牡に会っても交配できない犬の苦しみは、もっと耐え難いものがあるのではないのでしょうか。だれかが犬の性欲は食欲とおなじようなものって言ってました。例えると目の前にごはんがあっても、いつまで待ってももらえないんですよ。私だったら気が遠くなる〜。ちょっと極端な話・・・
私も獣医さんに何度も相談し、いろいろ説明してもらいました。
結局獣医さんは「避妊手術をさせるさせないは、あなたが良いと思ったほうを選択しなさい、決めるのは飼い主ですよ。」といわれました。ですから、どんどん迷って、いろんな情報を得た上で、ご家族で決断なさってください。それからでた結果が、きっとみなさんにとって最善の選択になるのではないでしょうか?
避妊や去勢は、ワンちゃんやネコちゃんを飼っているオーナーさん全員に共通の1つのテーマですよね。みなさま方がとても良いことを書かれていて、私もじっくり読ませていただきました。牡犬にも牝犬にも、避妊や去勢によってほとんど防げる牝としての病気や牡としての病気がいくつかあり、そのデータは、獣医大学のHPなどに書かれていた通りですよね。
それにもかかわらず、避妊や去勢では、多くの飼い主さんがとても迷われます。迷われるには、やはりそれだけの理由もまたあるからだと思います。避妊していないでお産もしない牝犬(1回だけのお産では、1度もお産したことがない犬とかわらないそうです。)では、乳腺癌や子宮や卵巣系統の病気になる確率が50%〜60%くらいと言われています。牡犬でも同じ様で、前立腺などのトラブルが同じ様な確率で起こるそうです。もし2度以上のお産をしていたり、あるいは適切な時期に避妊手術を受けていると、これをほぼ防止することができるのですよね。
牝犬を例にとると、何故最初のシーズンまでに、あるいは2回目のシーズンまでに手術をした方がいい・・・といわれるかという点。これはホルモンの関係だそうです。1度シーズンがくると、牝犬としての女性ホルモンというか黄体ホルモンが関係するので、その後避妊手術をして子宮や卵巣を摘出して子宮蓄膿症などの病気は防止できても、乳腺まで摘出してしまう訳じゃないですから、乳腺でのトラブルが起こる可能性は免れないそうです。だからまだ黄体ホルモンが関係しない子犬(最初のシーズンまで)のときに避妊手術を受けていると、乳腺などの癌も防止されるそうです。
また、避妊していなくて子宮蓄膿症などになった牝犬では、乳腺での癌などにもなる確率が非常に高いというデータもあります。婦人科系統の病気は、それぞれ関連性があり、ホルモンの影響をとても受けていると考えていいのでは?と思います。そういう理由から、仮想妊娠などを繰り返す牝犬では、すでに黄体ホルモンのバランスが悪いことが考えられ、いずれ婦人科系の病気になる確率もまた仮想妊娠などしない牝犬に比べて高いとも言われています。私の友人の牝犬は、仮想妊娠がひどくて、3歳か4歳の時に避妊手術を決意。開腹してみると、すでに片方の子宮が蓄膿症になりかけていて、少し膿が溜まってきている状態でした。思い切って手術してよかった〜と喜んでいたのですが、獣医さんに今後、乳腺の癌などになる可能性も高いですよ、と言われました。そして6歳頃、乳腺に小さなシコリを発見。すぐに手術して細胞を検査したら悪性でした。その後も反対側の乳腺でもシコリができ、3回に渡る手術で乳腺を全部取ってしまいました。これは1つの典型的な例かもしれませんね。
私は、これらの避妊や去勢の手術が、子犬を飼いはじめてまだ数カ月〜というときにぶつかってくる問題なので、飼い主さんにとって精神的な負担が大きいと思います。せめて2〜3年経って十分成犬になり、飼い主さんも落ちついて”さて、家の子はどうしよう?”と考えられればいいのですが・・・特に犬を初めて飼われた方にとっては、いきなりの大問題だと思います。
私の考えは?と聞かれると、お答えのしようのないテーマでもあります。正直に言って、よくわかりません。避妊や去勢によるメリットは、様々な研究からいろんなデータで現れていますが、デメリットとなると、明白なものはあまり言われていません。でも、避妊や去勢によってホルモンバランスが崩れ、アレルギーがひどくなったとか、太ってくるとか、被毛の状態が悪くなったとか、いろいろあるようです。牡犬の場合は開腹手術ではないので、牝犬と比べてそれほど悩むこともなく、我が家の牡犬には去勢手術を受けさせています。牝犬の場合は、うちではときどきお産をさせているので、同じお産をさせるなら2回以上して避妊はしない、という路線でいってますが、全くお産をしない牝犬では、状況が違いますよね。我が家のようにお産をさせる犬のほうが珍しいわけで、ブリーダーではない一般のご家庭での愛犬では、ふつう愛犬を繁殖に使うことなどないです。人間なら、ほとんどみんな女性も男性もいずれ独立して結婚をして子供をもうけるというのが一般的な構図です。その感覚からは人間では避妊や去勢は理由がないとしないのが当たり前だけど、犬の状況はそれとはまるで異なります。人間社会と別れて、犬社会を形成することはありません。あったら問題です。そしてお産をする牝犬も、ましてや牡犬ではほとんどの牡犬に交配をするというようなチャンスもなく、つまり犬は人間の友人としての存在であり、すべて人間がコントロールしています。だから、人間と同じように当てはめるのはちょっと違うと思います。人間の責任で人間の友人として存在する犬社会を、どうするのが良いのか、それが最初の前提になると思います。
避妊去勢によるメリットはよくわかりますが、デメリットの方は手術をやってみてからでないと全く見えません。見えないデメリットと、わかっているメリットを比べてみることはできず、だから私はどちらがいいか?という答えはいつもみつかりません。この後はみなさんの書かれていたことと同じことで、お言葉を借りると
”みなさん、どんどん迷って、いろんな情報を得た上で、ご家族で決断なさってください。”です。そして手術されるのは獣医さんですから、その子の健康状態や、その子の体質的なことをよく把握してらっしゃる獣医さんの意見が大切だと思います。
「愛犬の健康の為・病気の予防の為に手術を」という考え方の獣医さんでしたら、迷う事はなかったかもしれませんね。
もし、色々考えた結果「やはり手術を」と思っても、同じ考え方の獣医さんにお願いできなかったら、ちょっと辛いものがあるかもしれないかな...とふと思いました。
獣医さんが私と同じ考え方でいらしたら、これほど迷わなかったと思うのです。何度も何度も、どうするべきなのか自分なりに考え、もちろん獣医さんにもお話をうかがい、その場で決めずに時間をかけてようやく出した結論が「手術をする」でしたから・・・。すると決めても、ちょっと言い出しにくいですよね。(そんなことは言ってグズグズしている場合ではないですが・・・)
Cさんより
やはり私が何より大切だと思うのは、健全さです。犬も人も、健康であってこそわくわくしたり心から楽しい!と思えるのではないでしょうか。健康であってこそ美しく輝けるのではないでしょうか。
Oさんより
ペットとして生まれてきた以上、想像妊娠のひどいこの子にも、他の犬達と同じように楽しい時をできるだけ味合わせてあげることが飼い主としての責任なのではと思い始めたのです。
Aさんより
性も生きる喜びのひとつというお考えはよく理解できますが、逆をいえば性だけが生きる喜びではないのですよね。飼い主のそばで幸せに健康な生活を送れることのほうが犬にとっては喜びなのでは?
Sさんより
つまり犬は人間の友人としての存在であり、すべて人間がコントロールしています。だから、人間と同じように当てはめるのはちょっと違うと思います。人間の責任で人間の友人として存在する犬社会をどうするのが良いのか、それが最初の前提になると思います。
みなさんのお考え、じっくり読ませていただきました。真剣に飼い主の責任と愛する犬の幸せを考えていらっしゃることが、とてもよくわかります。まったくその通りだと思います。健康でいられるよう力を貸してあげるのが、飼い主の務めですよね。そして、避妊手術は、愛しているからこその選択ですね。これからまた家族や獣医さんとよく話し合いたいと思います。どちらを選んでも、愛犬のために最善の道を選んだと、言えるようにしたいと思います。ありがとうございました。

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