先住ペットがいる場合

先住のペットがいるのでしたら、できるだけ他の動物に馴れていることが確認されている犬を選びましょう。また、先住の犬がいるなら、できるだけその犬とは違う性別の犬を迎えるほうがいいでしょう。そして先住の犬も他の犬とうまくやっていける性格の犬であることが望ましいと言えます。先住の犬が服従的な犬であれば、新しい犬が服従的でも優位的(極端なのは困りますが)でもそれほど問題は生じないでしょう。

しかし先住の犬が優位的な犬であったり、飼い主に常時べったりしている犬であるなら、新しく迎える犬は服従的で、先住の犬より小さい犬にするのが良いでしょう。新しい犬が先住犬より大きな犬であると、先住犬が怖がってしまうこともありますから、大きさも考慮すべき大事な点です。

先住犬に新しい犬を初めて会わせるのには、公園あるいはどちらの犬にとっても初めての場所で会わせるのがいいでしょう。どちらの犬にもリードを付けてください。もし先住犬がオビディエンストレーニングされているなら、「伏せ」「待て」をさせておきます。それからお互いに匂いをかがせ、遊ぶよう促し、攻撃的態度は抑制します。もし新しい犬が攻撃性を見せるようなら、服従の姿勢を人間が取らせてそのまま保持し、そして先住犬に匂いをかがせます。

こうする事によって喧嘩が生じることを防げます。新しい犬は先住犬が自分に危害を加えないことを認めると、その犬を信頼するようになり、先住犬は新しい犬が服従的であることを学びます。このような方法は必要でない時(2頭がすぐにうまくやっていけるようになる)も多いですが、時として必要となります。とにかく2頭の犬達が遊びたがるようであれば遊ばせてあげてください。そして必要な時以外は犬同士の遊びを干渉してはいけません。

家では、まず別々のところに2頭の居場所を作ってあげてください。犬舎、クレート、あるいは別々の部屋です。そして絶対に2頭一緒に食餌を与えないでください。争いの原因となります。

そして、必ず先住の犬のために時間を割き、先住犬とだけ触れ合う時間を持ってあげてください。今まで以上に先住犬をかまってあげる必要があるかもしれません。そうすることによって、先住犬が新しい犬のせいで自分がかまってもらえないと感じることを防げます。

それから、2頭の犬と一緒に何かをしましょう。楽しい事を一緒に行い、一つの家族として絆を深めていきましょう。 大事な基本ルールは、2頭の犬があなたをアルファ(リーダー)として認めるということです。彼らはお互いの上下関係を作る必要があるかもしれませんが、しかし彼らはあなたがリーダーであり、あなたに従わなくてはいけないことを理解しなくてはいけないのです。

先住の猫がいる場合は、猫だけが出入りできる部屋を作ってあげるべきです。簡単な方法は、ドアの所に犬は飛び越えられないけど猫は飛び越えられるフェンス等を作ることです。犬が猫を襲おうとしない限り、そのうちうまくやっていけるようになります。犬に、猫を追いかけてはいけないことを教えてください。猫は、たとえフレンドリーな犬であっても馴れるのに半年くらいかかるものです。焦らず辛抱してください。



成犬へのクレートトレーニング

もし新しく迎えた成犬が、クレートトレーニングをされていないなら、してあげるべきです。クレートトレーニングすることにはいくつかの益があります。もしトイレのトレーニングをする必要があるなら、クレートを使うことは大きな助けになります。また、クレートは犬に安心してくつろげる自分の場所を与えることになりますし、あなたが外出する時や、長時間のドライブ、入院時、災害時の時のためにもクレートトレーニングは大事です。

クレートに犬を入れてドアを閉めてしまう前に、犬にクレートは安心できる場所であることを教えましょう。もしクレートを怖がっている犬を無理矢理入れてしまうと、犬はずっとクレートを恐れるようになり、矯正不能な精神的ダメージを負ってしまうかもしれません。

犬が安心するために、犬はまずクレートが恐いものではないということを学び、そしてクレートが好きにならなくてはいけません。次のような方法で馴らしてみてください。

犬がクレートを嫌がらなくなったら、クレートのドアを閉めてみましょう。すぐに誉めてご褒美をあげて、そして短時間で出してあげてください。まだこの段階では犬をクレートに入れて立ち去らないでください。そうすれば犬はクレートに入れられることと、犬を置いてあなたが出かけてしまうこととを関連付けて考えてしまい、クレートに入ることを嫌がるようになります。また、まだクレートに馴れていないのに長時間入れっぱなしにされると、パニックになってしまうこともあります。

徐々に入れる時間を長くしていってください。そして犬がクレートに入ったときはいつでも誉め、必要に応じてご褒美をあげることを忘れないでください。



成犬のトレーニング

1)オビディエンス
古いことわざに「年寄りの犬には芸を教えることはできない」というのがありますが、これは嘘です。飼い主との良い関係が出来ていれば、成犬に物を教えるのは子犬に教えるより簡単です。

オビディエンストレーニングは楽しいですし、犬との絆を深める良い手段でもあります。また、オビデェンストレーニングは犬に良いマナーを教えるだけでなく、他の人や犬との社会化にも役立ちます。そして、犬に「やること」を与えることになります。これは新しい家庭にもらわれて来た成犬にとってとても有益な事なのです。犬は飼い主と共に何かを行うことに大きな喜びと生きがいを感じます。

2)トイレのしつけ
前の飼い主の所ではトイレのしつけができていなかったという犬もいます。それにはいろんな理由があります。正しく教えられたことがないのかもしれませんし、前の飼い主が教え方を知らなかったのかもしれません。ずっと犬舎に入れられっぱなしだったとか、一日中庭に出されていたのかもしれません。そのような犬はどこで排泄をするべきで、どこでしてはいけない、というような事は理解していません。

このような犬には子犬に教えるようにしてトイレトレーニングをしなければいけません。しかし子犬と違って膀胱の筋肉もしっかりしていますので、子犬よりも早くしつけられるでしょう。まずクレートに入れるか、犬をいつでも見ていられる場所に置きます。そして定期的に排泄のために外に連れていってください。「しなさい」とか「トイレ」とかの言葉の合図を使うのも良いでしょう。排泄するまで根気良く待ってください。犬がそこへ連れていかれたら排泄しなくてはいけないと理解するまでは、とにかく決まった時間に定期的に連れて行きましょう。

家の中でしてしまったからと言って罰を与えてはいけません。排泄したくなる時間を知り、外へ連れて行って、排泄したら誉めるようにしていればすぐに覚えます。中でしてしまったなら、それは犬のせいではなくあなたのせいだと考えてください。

支配的な牡犬の場合、縄張り意識から家じゅうにマーキングすることがあります。そのような場合の対処法はまず去勢をすることです。そしておそらくそのような犬は他の面でも支配的な問題行動があるようです。ですから主従関係をしっかり確立させてください。

犬によっては服従姿勢(伏せたり、仰向けになったり)を取って排尿してしまう時があります。これはトイレのしつけの問題ではありません。このような犬には自信を付けさせてあげる必要があります。とりあえずは、穏やかな声で、威圧感を与えないように近づくようにしてください。もしあなたが帰宅した時に、服従的な排尿をするのなら、できるだけ帰宅時に静かに振る舞ってください。あまりじっと犬の目を見つめないで話し掛けましょう。そして胸のあたりを撫ぜてください。(頭を上から撫ぜるのは優位的な行為です。)また、犬の上にかがむ(お辞儀をするように)のではなく、しゃがんで犬と接してください。

このように根気良く対処していくことにより、犬に自信を教え、自尊心を培わせることができます。誘導法(ご褒美や声で誉める方法)によるオビディエンストレーニングを行うことも良い結果を生みます。犬が良いことをした時は惜しみなく誉めてください。



去勢と避妊

年齢がいっている犬に去勢や避妊手術を受けさせても大丈夫かしら?と思う人は多いようです。しかしその心配はありません。牡の場合、手術しても身体的な変化はなく、性格的にも変わらない事が多いですが、他の牡犬への攻撃性は多くの場合減少します。牝の場合も手術によって問題が生じることはほとんどありません。しかし2回以上発情を経験してしまっている牝の場合は、2回目の発情以前に避妊した牝犬の場合と違って、乳癌が発生するリスクは、避妊していない牝犬と同様に持っています。

一般的に、レスキュー団体等で譲られた犬は去勢・避妊手術がなされているか、あるいは手術をする約束の元で譲渡されるのが普通です。これは譲る側の責任でもあるのです。なぜなら、万一、一頭をレスキューして、その犬がまた無責任に繁殖され行き場のない子犬を何頭も作ってしまうなら、本末転倒だからです。

また、真面目なブリーダーがペットとして譲る場合も、ブリーディングは禁止して譲るのが普通です。真剣なブリーダーは、ブリーディングに用いるべき犬はできるだけ最高のクオリティであるべきであり、また正しい方法でブリーディングすることは大変な労力と費用と知識と責任感が求められることであって、誰にでも出来ることではないということを認識しています。もし、素人相手に「ブリーディングすることを条件」に譲るという話を持ち掛けるようなら、そのような話は断るのが無難です。



新しい事に慣れさせる

譲られた犬は、今までシャンプーとかグルーミングとか爪切り等をされたことがなくて、嫌がるかもしれません。そういう場合は忍耐強くゆっくりと馴らしていってあげてください。赤ちゃんに新しいことを馴らすような方法で行います。もしブラッシングを嫌がるなら、まず温かいお湯につけて絞ったタオルを体に軽くトントンと当ててみます。

声をかけながら、犬がリラックスするまでやってみてください。そしてそれを続けながら、少しだけブラシを当ててみます。そのうちに犬はブラッシングを受け入れるようになるでしょう。このような方法を他の事にも応用します。爪切りを嫌がる場合は、まず犬の足を持つことから馴れさせます。それから犬の足先をマッサージすることに馴れさせ、その次には爪を触ることに馴れさせます。

この時爪切りも側に置いて犬に見させて、気にしないようにさせておきます。そして爪を切ってみます。一つの爪をほんの少し切って、爪切りを片づけます。しばらくしたらもう一つ別の爪を切ります。犬が落ち着いて切らせるようになったら、一回に切る爪の数を二つにし、そしてさらに増やしていきます。

もし犬が何かを怖がっているようなら、まずそれを取り除いてあげることです。それに馴らしたいのであれば、計画的に徐々に馴らして行ってください。一度に多くの事に馴らそうとせず、一つづつクリアーさせていく事が犬のストレスを軽くします。そうすることによって犬の自信と飼い主への信頼を培います。