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DOG WEBがお薦めする1冊

人と動物の今を考える新雑誌

季刊誌 リラティオ(Relatio)

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10月27日の朝日新聞で、劣悪な環境で多数の犬を繁殖していた業者が立ち入り調査をされ、犬達が保護された事件が報道されました。犬はぎゅうぎゅう詰めで、死体まで放置されていたそうです。

また、「女性セブン」では、”ペットショップで売れ残った子犬は粉砕機で肥料に”というショッキングな記事も掲載されていました。お読みになった愛犬家の皆様はきっと心を痛めていることと思います。マスコミで取り上げられるのは氷山の一角かもしれません。

なぜ、このような状況が存在するのでしょうか?
なぜ「家畜」あるいは「商品」として扱われる犬がこんなにいるのでしょうか?
それは、犬を商品として生産・売買することが利益を得るための仕事として成り立つからではないでしょうか?
私達人間は仕事をして利益を得ます。それによって生活が出来、税金を収めることにより社会が成り立ちます。 何の仕事をして利益を得るかは個々の人の自由であり、法律を犯していない限り、非難されるべきものではありません。犬を繁殖し販売して利益を得ることは違法ではありません。

そして残念なことに日本においては、飼育環境、飼育頭数、繁殖方法、販売方法に基準や制限もありませんし不要になった犬を飼い主が行政に処分を依頼することも、理由の如何を問わず合法です。私達の多くは、狭いケージの中に並んでいる養鶏場の鶏を見てもそれほど心を痛めません。それは鶏を産業動物として認識しているからです。同じように犬を産業動物を見なす人がいても何ら不思議ではないのではないでしょうか?そこに倫理観や動物愛護の精神を持ち出したところで次元がずれているかもしれません。

しかし私達は犬は家庭動物だと考えます。すべての犬に家庭と愛情が必要だと思います。 犬は決して商業施設で利益のために飼育されるべき動物ではないと思います。 たとえ環境が清潔であっても、飼い主との親密な関係に恵まれない犬達は不幸だと思います。 皆様の多くもきっとそう思われるのではないでしょうか?

売れるから作る、これはどの産業にも共通です。商業施設で商品として生産された犬達の需要がたくさんある限り、生産され続けます。そして商品を生産するのですから、低コストで能率良く生産しようとするのも当たり前といえば当たり前です。純血種のクオリティの向上、犬の福祉などは利益とは無縁のものです。

一般の方に安く「下請け生産」してもらうのも一つの良い方法なのでしょう。また、犬は幼いほど人気があり、大きくなると商品価値は下がり、不良在庫となりますから、とにかく早く売りさばかなくてはいけません。血統が良い(親がチャンピオンとか)ことは商品価値を高めますから、そのために外国からそのような施設にタイトル犬が輸入されます。なぜこのような産業が発達していくのでしょう?それは需要があるからではないでしょうか?「商品」としての犬を求めているのは一般大衆の側ではないでしょうか?

このような生体産業が今後も発展していくのか、それとも別の方向に向かうのか、物のように扱われ死んでいく犬達は後を絶たないのか、それとも減っていくのか、それはこれから犬を飼われる一般の方々の認識と選択にかかっているのでは?と思うのですが、皆さんはいかが思われますか?

犬は野生動物でも経済動物でもない、家庭動物であることが広く認識され、その認識の元で、利益追求とは別の次元で、正しく管理されたブリーディングと犬の一生に対する責任を確認しあった上での譲渡がごく当たり前のこととして受け入れられるようになることを私達は願っています。







海外ニュース


AKCのCanine Health Foundation
(純血犬種の遺伝性疾患撲滅のためのプロジェクト)


AKC(アメリカンケンネルクラブ)は1995年に Canine Health Foundation(犬の健康基金)を設立し、各犬種に存在する遺伝性疾患の遺伝子レベルの研究をサポートしています。また1994年にAKCは第一回犬の遺伝的健康会議を開催し、それ以降毎年開催しています。この基金の支援の元で、現在全米の大学や研究施設で27の研究が行われています。

それらは特定の犬種の遺伝性疾患の遺伝子の特定や遺伝子マーカー(その病気の因子を持つかどうかを調べるための指標)の発見、犬の遺伝子地図(どの染色体のどの位置にどの遺伝子があるかの地図作り)作成のための研究です。現在、犬種の遺伝性疾患を減らすための手段としては、繁殖に用いる犬の獣医学的な検査(例えば、股関節のレントゲンを撮る、眼の検査を行う、心臓の聴診やエコー検査を行う等)によるスクリーニング(ふるい分け)が主なものです。

しかし遺伝性疾患は複数の遺伝子が関与していたり、複雑な遺伝様式を持っていたりして、その犬自身は正常であっても、因子を持っている場合もあり、正常な犬同士を交配しても遺伝性疾患を持つ犬が生まれる可能性はゼロではありません。また、多くの遺伝性疾患は子犬の時にはわからず、犬が成長してからでないと判定できません。ですから常に熱心なブリーダーにとっての悩みの種です。

しかし遺伝子レベルでの研究が進むと、犬が若いうちに、血液検査や頬の粘膜の細胞を採取して検査するという簡単な方法で、遺伝性疾患の因子の所有の有無が判定でき、それによって健全なブリーディング計画が立てられることになるのです。

このAKCのプロジェクトに多くの犬のクラブや個人のブリーダー・愛犬家が賛同し、寄付が寄せられています。1997年には70万ドルもの寄付が集められました。また、AKCはこのプロジェクトに関する情報を載せたニュースレターを全米の5000人の獣医師に送りました。 98年6月現在、以下の遺伝性疾患の原因遺伝子が特定され、一部検査方が確立され実用化されています。

  1. アイリッシュセッターのPRA(進行性網膜萎縮)
    網膜の萎縮により失明にいたる病気です。コーネル大学の研究者によって原因遺伝子が特定されました。血液検査による検査法が実用化されています。
  2. ベトリントンテリアの銅中毒症
    これは劣性遺伝によるもので、2才から6才の間に発症し肝不全で死亡します。この犬種の75%が因子を持つと言われています。ミシガン大学の研究者によりこの病気の遺伝子マーカーが発見され、頬の粘膜から細胞を採取しDNA検査を行う方法が実用化されています。
  3. ニューファンドランドのシスチン尿症
    尿中にシスチンという物質が生成され結石の原因となります。ペンシルバニア大学の研究者によりこの病気の原因遺伝子が特定されました。この犬種以外にも、マスチフ、ダックスフント、ビションフリーゼ、チワワにもこの遺伝性疾患は存在し、これらの犬種における原因遺伝子を探す研究もなされています。検査方法は間もなく実用化される見込み。
  4. ウエルッシュコーギー・カーディガンのPRA
    ケンブリッジ大学の研究者によって原因遺伝子が特定されました。検査方法は現在開発途上です。







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