犬を入手する
どこから犬を入手すべきですか?
犬を入手する場所は3つあります。一般譲渡をしてくれる動物管理センター、信頼できるブリーダー、レスキュー団体です。通常、管理センターやレスキュー団体から犬を貰い受ける場合は、不妊手術がなされているか、あるいは手術をする約束で渡されます。
1)動物管理センター(地域によっては一般譲渡は行わない所もあります)
管理センターは犬を譲り受けるには良い所ですし、処分される運命だった犬を救うことになります。清潔で健康そうな犬を見つけてください。人懐こくて元気な子を探しましょう。あなたも友好的な態度で接してくださいね。管理している人と話して、それぞれの犬についてできるだけ多くの事を聞いてください。可能ならば候補の犬を出してもらい、自分で触わって、犬の態度やあなたへの反応を見てみましょう。
「この犬はやめておきます」と言うことを恐れないでください。それはとってもとってもつらいことですが、あなたはこれから生活を共にするコンパニオンドッグを求めに来ているのです。ですから自分がどんな犬を求めているかということに関して正直にならなくてはいけません。そこにいるすべての犬を救ってあげれたら素晴らしいでしょうが、でもそれは不可能なのです。その場の感情で決めてしまって、飼ってから後悔したという残念な事が良くあるのです。客観的に見てアドバイスをしてくれる友人に一緒に行ってもらうといいかもしれません。
2)ブリーダー
ドッグショーに出してみたい、あるいは健康なペットとしての純血種が欲しいのでしたら、信頼できるブリーダーを探しましょう。新聞広告は利用しないでください。ドッグショーや競技会などのイベントに行って、そこに来ているブリーダーやオーナーと話をしましょう。欲しいと思っている犬種のクラブにコンタクトを取るのも良いでしょう。これからブリーディング予定のあるブリーダーを数人リストアップすると一番良いです。そうすればその犬種についてもっと勉強したり、そのブリーダー達のポリシーや考え方を知ったりするための時間が取れます。またこれから生まれるパピーの両親犬について調べることもできます。多くの情報を得るほど、良い選択をすることができるはずです。
人やクラブから紹介されたブリーダーはすべて同じように信頼できて倫理的なわけではないということを心に留めておいてください。どのブリーダーが、あなたが求めているブリーダーであるかをあなたは決めなくてはいけません。そのためには時間をかけて調べましょう。
ブリーダーを選ぶ
何人かのブリーダーをリストアップしたなら、電話して質問することによってふるい分けてください。以下は質問すべき事のリストです。
- このブリーディングはどのような目的で行いましたか?
- ブリーディングを始めてどれくらいですか?今まで何回ブリーディングしましたか?
- 他の犬種もブリーディングしていますか?現在何犬種ブリーディングしていますか?
- 子犬の母犬、そして可能なら父犬を見ることはできますか?
- 子犬は家庭の中で育てられていますか?それとも犬舎の中ですか?
- この犬種にはどんな健康上の問題(遺伝性疾患)がありますか?
- 両親犬は遺伝性疾患の検査をしていますか?それらの証明書、診断書のコピーはもらえますか?
- 両親犬の血統書のコピーをもらえますか?
- パピーはクレートトレーニングやトイレトレーニングなどはされていますか?
- あなたは犬種クラブ等に入っていますか?
- 母犬は今まで何回ブリーディングされていますか?
- 子犬にはどのような保証がありますか?
- 譲渡契約書はありますか?どのような契約書を使いますか?
- ペットタイプの子には不妊手術の条件がありますか?
- 子犬は獣医師の診察を受けていますか?駆虫はしていますか?ワクチンは打っていますか?
- 万一私が何らかの理由で譲ってもらった犬が飼えなくなった時は、引き取ってもらうことはできますか?
- ブリーディングすることを前提として牝のパピーを譲ってもらうなら、どのような条件がありますか?
ブリーダーを探す際は、利益よりも犬の福祉を優先している人を探してください。良い環境で愛情を込めて子犬を育てている人を探してください。犬舎で育てているなら、清潔さ、犬達が幸せそうにしているか、犬を詰め込み過ぎていないか、快適な環境か、などをチェックしましょう。
そのブリーダーが何犬種ブリーディングしているかも確認しましょう。良いブリーダーとは普通たくさんの犬種はブリーディングしないものです。一つの犬種でも、良い個体を作るためには多くの時間と費用、努力が必要だからです。お金儲けのために、パピーミル(子犬の生産工場)のような事をしているブリーダーもいるかもしれません。(ですから、牝のブリーディング回数や犬の飼育状況などをチェックしてください。)
信頼できるブリーダーは、何らかの目的と実績を持っています。ドッグショーや競技会を目的としている人もいれば、単なる平凡なペットを作っているだけの人もいます。誠実なブリーダーは今までにブリーディングした子犬についても正直に話してくれますし、両親犬の眼や関節などの遺伝性疾患の検査結果についても喜んで話してくれるでしょう。すべての犬種が同じ問題を持っているわけではありません。
ブリーダーはその犬種に多い遺伝性疾患について良く知っているはずですし、どのような検査をしているかも話してくれるはずです。多くの遺伝性疾患は、初期あるいは軽度であれば見た目ではわかりません。(しかしブリーディングすると重度の遺伝性疾患を持つ子犬が生まれるリスクが、正常な犬より大きくなります。)獣医学的な検査が必要です。「うちの子は大丈夫ですよ」という言葉だけでは不十分です。
近郊の地域でブリーダーが見つからなかった場合、遠方のブリーダーから譲ってもらうことになるかもしれません。信頼できる誠実なブリーダーなら心配はないでしょう。直接子犬や母犬は見ることができないかもしれませんが、写真やビデオを送ってもらったりすることができますし、周囲の人に評判を聞いたりできるでしょう。直接取りに行けない場合は、子犬を輸送してもらうことになります。一般的には航空輸送が速くて、犬へのストレスも少ないでしょう。できる限り直行便を利用してください。飛行機輸送の場合は、空港の貨物ターミナルに迎えに行くことになります。
次のようなブリーダーにはちょっと用心してください。
- たくさんの犬種をブリーディングしている
複数の犬種をブリーディングしている人もいますが、たった1犬種でも正しい方法でブリーディングするのはとても大変な仕事なのです。ですから1人であれこれといろんな犬種をたくさんブリーディングしているようでしたら、どのくらい知識と責任感を持ってブリーディングしているか良く確認しましょう。
- 父犬も母犬もそのブリーダーの犬
確かに、自分の牝犬に最適と思われる種牡が自分のところにいるという場合もあります。しかし、いつでも自分の牝と自分の牡を交配しているというなら注意してください。真剣なブリーダーは常に血統やタイプを研究し、自分の犬の長所や欠点を理解し、牝に合わせて最適と思われる牡を選ぶものです。牡と牝を飼って、とりあえずその2頭を交配するということはしません。なぜこの組み合わせを決定したかを質問しましょう。
- 牝犬を発情のたびにブリーディングしている
良いブリーダーは、牝を発情のたびに連続して交配するということは滅多にしません。(前回が不受胎だったとかほんの1、2頭しか生まれなかったという場合は別ですが)
- ただ単に「うちの子に生ませてみたい」「お小遣い稼ぎ」という安易な動機でブリーディングしている
このようなブリーダーは「バックヤードブリーダー」と呼ばれます。ちゃんとした知識や、子犬に対する責任感を持たずに安易に生ませてしまいます。このようなブリーディングで生まれた子犬は遺伝性疾患等を持っているリスクも高いですし、譲った後のアフターケアも不十分なことが多いです。たとえ運よく何のトラブルもなかったとしても、買う人がいることによって、このようなブリーディングを助長していることは事実です。
- 単に商用目的でブリーディングしている
純血種を良い方法でブリーディングするなら、利益はほとんどありません。利益を目的としてブリーディングされる犬達は、多くの場合健全性や犬のクオリティには配慮がなされず、子犬の管理も必要最低限しか行われず、十分な社会化がなされないままかなり早い時期に販売されてしまいます。
- 「ショーのためだけ」「競技会のためだけ」にブリーディングしている
一つの目的だけのためにブリーディングするというのはある意味で無責任なことと言えます。犬というのは、ショードッグであれ、競技会に行く犬であれ、まず家庭犬であるべきですから、信頼できるブリーダーはバランスの取れた犬を作ろうとしているものです。すなわち良い性格、良い体型、良い性能を持った健康な犬を目標とします。一つの事だけを目的にしているブリーダーは、ショーや競技会での成績だけを重視し、性格や健康面を軽視してしまっているかもしれません。
母犬を見て、その性格などを確認することは大事です。訓練タイトルなどはその性格や性能の良さの一つの指標です。ブリーダーは遠方に牝犬を送って交配することも多いので、父犬を実際に見ることはできないかもしれません。しかし資料を集めて調べることはできるでしょう。
子犬の健康状態もチェックしましょう。その犬種の平均的な胎子数よりも多く生まれた場合は、全体的に子犬が小さいかもしれません。1頭あるいは2頭という胎の場合、兄弟犬との触れ合いによる社会化が不十分であるかもしれません。子犬達は元気で活発で、しっかりとお乳を吸っているべきです。元気がなく、お乳の吸い方も他の子より弱々しい子犬には注意しましょう。
一胎の中でも他の子より目立って小さい子(ひねっ子)がいる時がありますが、元気でお乳の吸いも良く、兄弟達と良く遊んで、おおむね健康であるなら、問題はありません。そういう子でも成長と共に兄弟犬に追いつき、一番大きくなることだってあります。しかしなんらかの健康上の問題で成長が遅れている子(他の子犬に比べて元気がない、毛艶が悪い等)は避けた方が無難です。
子犬は生後8週までには駆虫が何度か行われているべきです。その頃までに最初のワクチンも受けているのが望ましいでしょう。
多くの信頼できるブリーダーは、譲った後一定の期間(例えば48時間以内)の子犬の健康について保証します。ブリーダーは一旦新しいオーナーが連れて帰ってしまえば、もう子犬を自分で管理することはできません。ですから多くのブリーダーは、この期間中に新しいオーナーが子犬を獣医さんに診察してもらい、何か異常が見つかった場合のみ保証をします。新しい家庭に行って時間が経った後に罹患した病気まで保証することは不可能と言えます。早めに獣医さんの診察を受けることはトラブルの防止にもなります。
信頼できるブリーダーは、遺伝性疾患に関する保証も行っているのが普通です。それは後日その子犬に遺伝性疾患が見つかった場合、代金を返却するとか、代替犬を渡すという保証のことで、子犬が絶対に遺伝性疾患を持っていないという保証ではありません。その犬種に見られる遺伝性疾患について、「うちの子犬は絶対大丈夫です。」などという言葉は信用しないでください。どんなに慎重に行われたブリーディングでも100%大丈夫ということは有り得ません。
信頼できるブリーダーは、自分が生ませた子犬が、不用犬として管理センターに持ち込まれることがないよう、もし飼えなくなったらその犬を引き取りますという約束をするでしょう。また、新しいオーナーがどんな環境で飼うのか、どんな目的で飼うのかを子犬を渡す前に詳しく知ろうとします。そして多くのブリーダーは新しいオーナーがブリーディングに興味があるかどうかも考慮に入れます。多くのブリーダーはペットとして譲った場合は不妊手術をすることを条件としますし、手術を受けるまでは血統書を保留する場合も多いです。
保証や条件などは必ず文書にしておきましょう。口約束だけでは後日条件と違うことが生じても、何の効力もありません。
もしショーや競技会、そしてブリーディングに興味があるなら、そのような目的に合った子犬を選んでくれるブリーダーを探しましょう。ブリーダーはあなたにその子犬の血統やブリーディング目的、ショーイングの仕方等を教えてくれるはずです。時間をかけて、何人かのブリーダーとコンタクトを取りましょう。実際に子犬を入手するにはしばらく待たないといけないかもしれませんが、辛抱強く待つほうが良い結果となるでしょう。
良いブリーダーは、子犬を希望する人達の予約リストを持っていて、希望者がある程度集まらない限りブリーディングを行わないという人もいます。しかし、待つことは無駄ではありません!
犬を迎えるのは養子をもらうことと同じようなものと考えてください。ブリーダーにたくさん質問してください。そしてあなたもたくさん質問される事を期待してください。信頼できるブリーダーはやはり信頼できるオーナーを探しているのです。
子犬を選ぶ
多くのブリーダーは、子犬の希望者に一胎の子犬全部を見せてくれます。あなたが呼ぶと真っ先にやってくる子犬、それはとってもかわいいですし、その子を選ぶべきだと感じるかもしれませんね。そういう子は一胎の中で最も「優位」の子かもしれません。そういう子は新しい事を他の子犬がするよりも先にチェックしようとします。そういう子は、活発で好奇心旺盛で、自立心や自己主張も強い傾向がありますから、始めて犬を飼う人や、犬のトレーニングの経験のない人には不向きかもしれません。
一般の初心者の方には「中道を行く」犬がお勧めです。つまり、際立って勝ち気でもなくおとなし過ぎるわけでもなく、人間が触ったり抱き上げたりしても、暴れたりせずに従い、人が立ち去ろうとすればついてきたり、呼んだら来るという社交性を持っている子がいいでしょう。
また、あなたの目的やどんな性格の子が欲しいかをブリーダーに話せば、経験豊富なブリーダーは、最も適した子犬を選んで勧めてくれるでしょう。ブリーダーは何週間にも渡って子犬達を観察しているのですから、個々の子犬の性格等を良くわかっているのですから。一般的に、良く考えられたブリーディングから生まれた子なら、それほど極端な性格を持った子はいないはずで、たいていは、相応しい飼育とトレーニングさえ行えば何の問題もない犬に成長すると思われます。
3)レスキュー団体(里親斡旋をするボランティア団体)
このような団体は、飼い主に捨てられた犬や飼い主が飼えなくなった犬を保護し、里親を募集する活動をしています。子犬や成犬、MIXや純血種など様々な子がいます。このような所から犬を譲り受けることも良い選択支の一つです。しっかりしたレスキュー組織なら、保護した犬の健康診断を行い、健康上の問題があれば必要な治療を行い、基本的なしつけも行って、良い状態で新しい飼い主さんの元に送り出そうとしますし、譲った後も何かと相談に乗ってくれるでしょう。
実際に犬を見せてもらい、性格などをチェックし、自分に合う犬かどうかを慎重に検討してください。いろんな事を質問しましょう。譲渡条件などはレスキュー団体によって違いますから事前に良く確認してください。このような団体がどこにあるかはインターネットで検索したり、地元の動物病院や犬仲間等に尋ねる事によって知ることができるでしょう。
複数のペットを飼うことについて
新しい犬を迎える時、すでにペットがいるなら、新しい子をその子に紹介しなければいけません。どのように対応すればよいかはそのペットの種類と性格によって違います。
成犬に子犬を会わせるのはたいてい問題なくできます。その成犬が他の犬に対して社会化ができているなら、おそらく何の問題もないでしょう。もし成犬が他の犬に慣れていないなら、その子犬とうまくやっていけるようになるまで離しておいたほうがいいかもしれません。特に、トイレトレーニングをしている過程で、留守中成犬と一緒にしておくと、トイレトレーニングの努力は無駄になります。
猫を飼っていて、新たに犬を迎える場合は、最初の1、2ヶ月はうまくいかないかもしれません。今まで犬と暮らしたことがない成猫は、子犬を見て毛を逆立てて怒ったり、近寄ろうとしないかもしれません。猫に安全な逃げ場所を与え、子犬に、猫にちょっかいを出さないように教えるなら、段々と慣れていくでしょう。
子犬と子猫はたいてい仲好しになれます。子犬が子猫より体が大きいなら、ふざけて子猫に怪我をさせないよう注意してください。
成犬に成犬を会わせる場合は、仲良くなれるかはその犬達の性格によります。上下関係を決めるために争いがあるかもしれませんが、それをむやみに禁止してはいけません。もし片方がもう片方の犬に全然良い反応を示さないなら、とりあえず離しておいて少しづつ慣らしていくべきでしょう。そして飼い主がいない時は犬は離しておくべきかもしれません。
成犬と成猫を会わせる場合は、犬がその猫を獲物と考えたり、猫が犬を嫌ったりするなら問題が生じるかもしれません。慣れるのにかなり時間がかかるかもしれず、その間は離しておくほうがいいでしょう。もし犬が成猫とうまくやっていけるなら、子猫ともうまくやっていけるはずです。
まとめますと、ペット同士がうまくやっていけるかは、そのペット達の性格によります。しかし多くの場合、単に会わせて成り行きを見守るだけで、一週間あるいは一ヶ月後にはうまくいくようです。しかし、特に違う種類の動物の場合、かなり時間がかかるときもあります。
一般的に、次のような方法が良いようです。
新しく来た犬をケージやサークルに入れて、先住のペットがその臭いをかぐことはできるけれども接触はできないという状態にします。1、2日後に、新しい犬をケージやサークルに入れない状態で、先住のペットにそのケージやサークルを全体に渡って点検させてやります。その後新しい犬をそこに戻します。そして反応を見ながら両者を会わせてみます。もし問題がありそうなら、完全にうまくやっていけると確信が持てるまでは、飼い主がいない時は離しておくようにします。
どちらにとっても縄張りではない場所、例えば友人の家とか公園とかで初めて対面させるという方法が可能なら、それも良い方法でしょう。
猫と犬という組み合わせの場合、ベビーゲートなどで部屋と部屋を仕切って、猫はそれを飛び越えられるけど犬はできない、というふうにして、猫が逃げたい時は逃げれるようにしておくのも良い方法です。
新しい犬が来た後は、先住のペットにたくさん関心を払うべきだということを忘れないでください。新しい犬に気をとられて、先住のペットに関心が払われなかったり、いつもの世話が十分になされなかったりすると、先住のペットは憤慨して、新しい犬とうまくいかなくなるかもしれません。
2頭の動物がうまくやっていけるようになるには数週間、場合によっては一年くらいかかる時もあるということを忘れないでください。焦ってはいけません。忍耐が必要です。