アフガン・ハウンド
(著者:ジャニス・ニクソン )



アフガンについて

アフガンはハウンドグループに属し、もっと正確にいうと、グレーハウンドのような視覚で追跡する獣猟犬の一種で、それは恐ろしく足が速く、サイト・ハウンド(視覚で獲物を追跡する獣猟犬)と呼ばれています。

アフガンの体高は、牡犬は地面からキ甲部までの高さが26〜28インチ(65〜70cm)で、牝犬は24〜26インチ(60〜65cm)です。牡犬の体重は約60ポンド(27kg)で、牝犬は約50ポンド(22.5kg)です。最も人目を引く特徴は、顔は短毛ですがそこ以外の全身にまとっている、長くシルキーでエレガントな輝く被毛です。

アフガンはフィールドを駆け抜ける走力に優れ、犬種のアジリティでは持久性、粘り、視界の展望力で並外れています。アフガンは35〜40mph(時速55〜65km)のスピードで二段浮上ギャロップができ、また直ちに反転ができます。また20フィート(7m)の幅跳びや、立ったまま垂直に7フィート(2.1m)の跳躍ができます。


アフガンって古い犬種?

グレーハウンドが最古の犬種とされていますが、アフガンやサルーキもそれに負けません。実際、どちらがより古くからの犬種かというのは、卵が先か鶏が先かのようです。残念ながら君主制度の時代にアフガンの古代の資料は全て遺失してしまいました。

間違いなくこの2犬種は、何万年か前の古代の狩猟期の頃より、最古の動物として生まれ、初期の頃はインターブリーディングで繁殖されていました。西洋諸国は19世紀にこのアフガンを発見し、英国軍人が最初のアフガンの個体を英国に連れてきました。アフガンには2つのタイプの原種がありました。1つは厚い被毛、クローズ・カプルドの山岳タイプのハウンドで、1つは今日我々が知っている、砂漠と山岳両用タイプのアフガンで、インターブリードで繁殖されています。


何をしていた犬?

アフガンは、山岳の地形で狩りをする、視覚で獲物を追跡する獣猟犬として、アフガニスタン、パキスタン、北インドの地域の人々に繁殖されていました。

この堂々たるハウンドは、レオパード(豹)のハンターとして最高です:これは史実でのことですが、アフガンはどんなものでも追って走り、追いつめたり、仕留めたりするでしょう。彼らは王族にも、またその部族にも同じように飼われていて、その主な仕事は村を守ることでした。

彼らは村の人々から、まるで高貴な客の接待のように家の中ではディナー用の食器で食餌を与えられ、また外でも高貴な人の接待のようにもてなされました。獣猟犬として、非常に高く重んじられていました。王族に飼われている犬は、犬舎を与えられていてそこで過ごしましたが、村で飼われている犬は、半野生のままで、犬達自身で自活していたことがよく知られています。


今日のアフガン

今日のアフガンは普通ペットとして飼われています。最早、視覚での追跡獣猟犬としてはあまり用途はありません。いくつかの国では、すっかりアウトローになっています。流れるような頭髪と遠くを見ているような態度で、ドッグショーではとてもよく見かけられ、ショーマンとして耐え難い生活を送っている犬もいます。幸運なアフガンは、サイトハウンドの狩猟を模擬したゲームで、彼らを追跡させたり呼び戻したりするような飼い主を得ています。アフガンはそういう競技を好み、そこでは最高のことを成し遂げます。


しつけ(トレーニング)は入りやすい?

いいえ、しつけられません。アフガンは自由思想家です。これは繁殖において、大型の猫科の動物を追跡するために不可欠なことでした。アフガンは岩場や凹凸の激しい地形のどんなところでも駆け回ることができるように、そしてアフガンは動物を捕まえるのも自由な方法でした。

一方アフガンは高知能で狡猾で、自分自身の都合のためにだけこの頭脳を使います。飼い主がアフガンに何でも芸当をして欲しいと望むことは、正にアフガン自身の思うつぼで、あなたはアフガンの賢さを褒め称えることになるでしょう。アフガンには厳しい訓練方法を用いてはいけません。もし手荒で粗野な扱いをすれば、同じ態度で意志表示をして永遠にあなたの指示を拒絶するでしょう。アフガンは、高圧的に命令されたら、耳が聞こえないふりだってできます。アフガンはまた、オベディエンス競技をする時、競争心旺盛な飼い主がすごく悔しがっても、アフガンはわくわく溌剌と自分で競技を創造することもできます。


運動がたくさん必要ですか?

アフガンはたいてい家庭内でカウチに寝そべりTVを見ていますが、とても多くの運動を必要とするので、そのうちに家に穴をあけはじめるでしょう。そんなアフガンは通常想像も付かないような被害を家に与え、それが続きます。この猫のようなハウンドは、タンスの引き出しを開け、あなたの全ての下着などをよく噛んで食べるでしょう。

また窓の外のリスを追いかけようとしてダイニングテーブルの上に上ったり、冷蔵庫のてっぺんの今夜のご馳走のディナーをこっそり盗んだりするでしょう。彼らの強靱なあごは、椅子のアームくらいごく短時間のうちに噛み裂いてしまいます。アフガンは時速12マイル(20km)の小走りで、息も切らせずぶっ続けに駆けるので、適したフェンスを庭に巡らすことが必要です。


アフガンの子犬のトイレのしつけは容易い?

いいえ、できません。子犬の個々にも因るけれど、原則として専制君主的なアフガンは人の言うことを聞きたがりません。6ヶ月令になると、アフガンは例外なく非常にきれい好きなので、一定の時間、トイレをしないで我慢できるようになります。どんなアフガンもトレーニングするときは、忍耐と優しさが必要です。人間の上手な手助けも必要です。


アフガンに多い遺伝的問題

残念なことにアフガンも遺伝性の疾患をもっています。しかし他の犬種に比べ、それは少ない傾向があります。股関節形成不全(HD)、若年性の白内障、甲状腺機能不全症、酵素欠乏症が犬種に見られます。全体的には健全な犬種の1つと言えます。


アフガンの寿命は?

大型犬種でアフガンは長寿です。12〜14年は当たり前で、健全に18年生きられる犬として知られています。他の犬種と同様にアフガンも、老いるに従って視力低下、聴力低下、関節炎などの老人性の病気はあります。同じように、この犬種には悪性腫瘍や心疾患でも犠牲になります。


たくさん食べる?

アフガンのように体高の高い流線型のタイプの犬は、その大きさに対してたくさん食べるようなことはありません。アフガンは、見た目とその感触を最高に維持するために植物油と、高品質のドライフードが必要です。耳のフリンジを守るためにスヌーズ(ヘアネット状のもの)も必要です。このようなストッキングの筒状のようなタイプのヘアネットは、細心の注意を要する耳の毛がお皿に入って汚れるのを防ぎます。


アフガンは人気犬種?

アフガンは1960年代後半〜1970年代初期に全盛期を体験しました。その時から今日に至るまでに、有り難いことに人気投票では下降して、今ではアメリカでもカナダでも60位くらいに落ち着いています。犬種にとって必要なのは特別なタイプの飼い主なので、人気が下がるのは悪いことではありません。