『キャバリア工芸村'C-island'』の冬祭り
第4回 2002.冬

2002'キャバリア感謝祭' KIKU-HOUSEの作品展示

Illustrated by Kikuno Shigematsu

火打ち箱
お話は、アンデルセンの「火打ち箱」を基にしてあります。
『火打ち箱』 原作 アンデルセン
作画 重松菊乃

この物語に登場する食器達

カップ&ソーサー・2基   
ミルクピッチャー
シュガーポット
ティーポット
トレー



戦争が終わって、国に帰る途中の兵隊さんが、大きな木のそばで 魔法使いのおばあさんに呼び止められました。
「兵隊さん、欲しいだけ、お金をあげようか?」
おばあさんの話に拠ると、木のほら穴のなかに銅貨と銀貨と金貨の 箱が置いてあるというのです。
「大きい目玉の犬がお金の番をしているけれど、エプロンの上に おいてやればおとなしくなるよ。
私はお金はいらないから、 火打ち箱を取って来ておくれ」
兵隊さんは承知して、腰にナワを結わえて洞穴から滑り降りてゆきました。

ミルクピッチャー

何もかもおばあさんの言った通りでした。
兵隊さんは、おっかなびっくり、奥に進んで行きました。
一番目の部屋には、銅貨の箱が置いてありました。
茶碗ぐらいの目玉の犬が箱の上に乗って番をしていました。
二番目の部屋には、銀貨の箱が置いてありました。
水車ぐらいの一番目よりもっと大きな目玉の犬が箱の上に乗って番をしていました。
ふたつの部屋を通り抜け、三番目の部屋に入りました。
三番目の部屋には、金貨の箱が置いてありました。
円塔ぐらいの、今迄よりも、とほうもない大目玉の犬が箱の上に乗って番をしていま した。

カップ&ソーサーその1


そこで兵隊さんは犬をエプロンの上におろし、ポケットに金貨をつめ、火打ち箱をとって、外に出て行きました。
そして、兵隊さんはおばあさんに火打ち箱を渡さず、金貨と火打ち箱を持って、賑やかな町の方へ駆け出して行きました。

貧乏な兵隊さんは大金持ちになりました。
そして、パーティを開き、 贅沢三昧して暮らしました。
その頃、町の人から、お城の美しいお姫さまの話しも聞きました。
兵隊さんは、贅沢なくらしを続けたため、どんどんお金が少なくなっていきました。

カップ&ソーサーその2

兵隊さんはまた、もとのようにすっかり貧乏になりました。
粗末な屋根裏部屋にひっこしして、パンと水だけの食事をしました。
ある日、日が暮れてもロウソクさえ買う事が出来なくなりました。
兵隊さんは、ふと、火打ち箱の事を思い出しました、
「あの中に、短いロウソクがあったっけ?」
火打ち箱を探し出して、まず、カチッとやりました。
すると、どうでしょう。戸が開いて、大目玉の犬がぬっと現れました。
「旦那様、何かご用ですか?」 兵隊さんは肝を潰しました。
「なるほど、火打ち箱の使い方がわかったぞ! 犬クン、お金を持って来ておくれ。」
犬は姿を消しましたが、すぐにお金の袋をくわえて戻って来ました。

こうして、兵隊さんはまたお金持ちになりました。
ある晩の事、兵隊さんは考えました。
「きれいなお姫様に会えないのは残念だなぁ。犬に頼んでみようかな。」
ある夜、お姫様の一人の女官は、お姫様のベッドの側にいました。
すると、突然大目玉の犬が現れました、お姫様を背中に乗せるが早いか、外へ駆け出しました。
あっと言う間もありません。
女官も慌てて外に飛び出し、夢中で犬の後を追い掛けました。
犬は飛ぶように町の中を走り抜けて、大きな家の中へ吸い込まれました。
女官はその家の戸に白い十字のシルシをつけてお城へ帰りました。
ところが、そのシルシはすぐ大目玉の犬に見つかってしまいました。
たいそう、利口な犬だったので、町中を走り回り、家という家の戸に 同じような白い十字のシルシを付けておいたのです。

シュガーポット

女官はお城にもどり、王様とお妃様に報告しました。
怒った王さまは、大勢の家来を連れて、お妃様町へ繰り出しました。
しかし、十字のシルシはたくさんあり、兵隊さんのいる家は、 結局、わからずじまいになりました。

トレー

けれども、お妃様もなかなか利口な人でした。
小さな絹の袋にそば粉をいっぱいにつめて、底の方に穴を開けました。
動かせば、少しづつ粉がこぼれるようにしたのです。
お妃様は、お姫様の腰にその袋を結び付けました。
こうしておけば、白いそば粉がこぼれて、お姫さまの行く先がわかるというものです。
兵隊さんのほうは、その晩も優しいお姫様に会いたくなりました。
また、火打箱をカチッとやって、犬を呼び出しました。
「今夜もお姫様を連れて来ておくれ。」
犬はすぐにお姫様を連れて来ました。
お城から、兵隊さんの家迄、白い粉の道が続きました。
犬もそれには気が付きません。
朝になると、お姫様が夕べ何処にいたかは、すぐにわかってしまいました。
兵隊さんはたちまち捕まって、牢屋に放り込まれてしまいました。

兵隊さんは、お姫様をさらった罪で死刑になる事になりました。
町の中は大騒ぎになり、首吊りに死刑を見ようと、外へ飛び出しました。
子供も駈けて来ました。
しかし、子供は慌てていたため、転んでしまい、 靴を飛ばしてしまいました。
その靴は、鉄格子の窓へ飛んで来ました。
「ぼうや、慌てなくてもいいよ。ぼくがいなけりゃ、死刑は始まらないからね。
それよりも、ぼくの家へ一走り行って、火打ち箱を持って来てくれないか? 金貨を一枚あげるよ。」
子供は飛ぶように走って行って、まもなく火打ち箱を持って来ました。
兵隊さんは、首吊り台の上に引き出されました。
いよいよ死刑です。

テイーポット

その時、兵隊さんが言いました。
「王様、最期にタバコを一服吸わせて下さい。」
「一服なら良かろう。」
王様は許しました。
兵隊さんは火打ち箱を出して、カチッ・カチッ・カチッと三回火花を散らしました。
とたんに大目玉の犬が三匹みんな現れました。
「犬くん!僕を助けてくれ!!」
兵隊さんが叫ぶと三匹は大暴れに暴れだしました。
役人達を片っ端からくわえて空へ放り上げました、王様も犬に捕まって、ポウンと蹴飛ばされました。
みんなはとうとう「降参、降参です!」と、両手を高く上げました。
それから、首吊り台の兵隊さんに向かい、
「どうか、私達の王様になって、美しいお姫様と結婚して下さい。」
と、口々に叫びました。
犬がお姫様を連れて来ました。
優しいお姫さまは喜んで兵隊さんのお嫁さんになることを承諾しました。
こうして新しい王様とお妃様が出来ました。
それから、婚礼のお祝は一週間も続いたのでした。

おわり

おまけのエピローグ

洋食器シリーズ「火打ち箱」の撮影風景
左-完成した洋食器「火打ち箱」を前にして、マー君もうれしそう
右-食器の撮影を熱心にお手伝い中のマー君

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価格は一客:3200円

 

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(ここのもんは俺の飼い主のきくねーちゃんのもんばっかりやから、勝手に持っていったらかみかみディープキッスするぞ〜)